和訳された技術書の邦題がひどく入門な件について

注:下記、ただのディスり記事なので、よっぽど暇な人だけ読んで頂きたく。

僕は基本的に技術書については英語の原書を中心に読んでいて、Kindleを愛用している。といっても英語のレベルはそれほど高くないので、内容は大体見当が付くジャンルの本しか、英語では読めない。具体的には、Androidプログラミングとか、Eclipseプラグイン開発とか、Java・MongoDB・Webセキュリティあたり。この辺は英語でも結構なスピードで読める。(最近はデータサイエンス系の勉強もしているのだけれど、そっちはまったくの素人であるため、英語だと、まず単語の意味がわからない。専門用語なので、辞書を引いてもわからず、結果として読むスピードが極端に遅くなる。そのため実質原書だと読めないという状態になり、結果、データサイエンス系の本については殆ど和書を買っている。統計の本とかも同じ。)

そんなわけで結構頻繁にAmazon.comのKindle Storeをチェックしているため、新しい技術書など、どんな本がどんなタイトルで出ているのかをなんとなく把握しているのだけれど、その原書のタイトルと、邦訳された本の(日本語の)タイトルの乖離がすごい。
(ロックの曲名に邦題を付けるときに「白夜のトラジディ」とか「撃墜王の孤独」みたいにセンスがいいやつで乖離するならまだしも、技術書でタイトルが乖離するのはちょっと…)

ということで、個人的にかなり引っかかったやつを紹介。

入門 PHP セキュリティ
Essential PHP Security

原書のタイトルは「Essential PHP Security」、つまり「PHPセキュリティの主要点」あるいは「PHPセキュリティのエッセンス」という感じ。この本はすごく薄くて内容が濃い、密度の高い良書で、原書のタイトルはそのものズバリを表している。それが「入門」かよ〜という感じ。やはり初心者向けみたいに見せると売れるんでしょうか。

次はこれ。

入門 機械学習
Machine Learning for Hackers

原書のタイトルは「Machine Learning for Hackers」。ずばり「ハッカーのための機械学習」ですよ。それが「入門」かよ〜という感じ。やはり初心者向けみたいに見せると売れるんでしょうか。

そして次はこれです。

RとRubyによるデータ解析入門

Exploring Everyday Things with R and Ruby: Learning About Everyday Things

原書のタイトルは「Exploring Everyday Things with R and Ruby: Learning About Everyday Things」。つまり、RとRubyを使って、身近な日常の物事に対して(データ解析で)切り込んでいく、という部分に、この本のやや珍しい立ち位置が集約されているわけです。「Everyday Things」が2回も出てくるんですね。それが「入門」かよ〜という感じ。Amazon.co.jpのページには「日本語版ではさまざまな統計手法についての入門となる章を追加。この本で使っている統計の基礎も学べる構成になっています。」って書いてあるけど、タイトルに「入門」って書いてある本に「入門となる章を追加」って意味わかんねぇよ!w やはり初心者向けみたいに見せると売れるんでしょうか。

技術書の洋書を翻訳してくれる数少ない出版社のうちのひとつとしてオライリージャパンのことは常に応援していますが(実際にたくさん買ってますよ!)、難しい本も「入門」にしちゃうのはいかがなものか!